ロボット製作を通じて科学を学ぶ教室-クレファスひたちなか校

2023年10月14日

最新の教育コラム

C-Wave : 「忘れる読書」落合陽一 

C-Wave                                   2023/7/2        

   保護者各位 いつも大変お世話になっております。現在、クレファス通信で教室予定などを配信しておりますが それとは別に「C-Wave」として子育て等に関係する様々な情報を、朝日の視点から独断と偏見で不定期に配信していきたいと思います。ご拝読いただけましたら幸いです。第一回は落合陽一さんの著書「忘れる読書」から抜粋したキーワードを、今までに発表会などで配信してきた内容と織り交ぜながらお伝えいたします。                    

「忘れる読書」落合陽一                                

◎ストーリーテリング=ビジョンメイキングが重要

米国{WIRED}誌創刊編集長ケヴィン・ケリーの著書「テクニウムーテクノロジーはどこに向かうか」

不確実なことに対する疑問を投げかけることこそが有益な行動であり、人間にとっての根本的な仕事。未来に対する仮説をストーリングする能力が重要になってくる。イノベーションを起こしたりするすべての行いは「疑問を投げかける」という足場から築かれてくる。答えが欲しいだけなら機械に聞けばいい。

人間に価値がある疑問を投げかけるための5つのキーワード

「もしこうなら(What if)」「これはどうだ(How about)」「どうして(How come)」「こうしたらどうなる(What happens by doing this)」「あっちならどうだ(What about that)」

 *今日のランチは何が食べたい?
それがおいしいものであることを他人に伝えるにはどうしたらいいか?

⇒前期発表会:課題発見力に通じるお話。学校で学ぶのは課題解決力で、課題を自ら探し出す、気づくことが大事。課題を解決するのはテクノロジーが得意だが、テクノロジーは課題を発見できない。なぜ?が大事。2019年岡山県笠岡高校・植松君:蝉の寿命は1か月以上あるという事実を世界初で証明した。蝉が一週間で死ぬなら死体がゴロゴロあるはずだが死体があまりに少ないという疑問(課題発見力)山に行って蝉に捕獲日をマーキング(課題解決力)。自宅でできる取り組みとして、夫婦で「なんで?」という会話を子供の前でたくさんする。「なんで?」がノーマルとなる。子供の質問に答えはすぐに言わない。むしろ「なんでだと思う?」と切り返す。子供が何かに夢中になっているときに絶対邪魔しない。アリの観察等、一緒に観察し、目の前の事実を言葉でアウトプットする。その会話の中からひらめきが生まれる。

 

◎理系文系の壁を越えて学べる人が新時代を制す

落合研究室で求められる人材:サイエンス(学問・方法論)アート(技巧)デザイン(技巧)エンジニアリング(技術伝承)

今の時代のスピードを考えたら十年後に今のコーデイングが使えるかも疑問・プログラミングは物事を抽象化するための一つの手法に過ぎない。プログラミング=エンジニアリングに精通するのだけでは不十分で上記4つの能力も身に付けておくべき。 

⇒2022年前期発表会:伊藤穣一:テクノロジーが予測する未来

*文系理系が融合された教育

文理融合とは、これまでの大学教育の現場で一般的に使用されていた「文系・理系」という学問的区分にとらわれず、領域横断的な知識力と発想力を学生に習得させようとする教育方針。例えば、ビッグデータ解析などを担当するデータサイエンティスト:データサイエンティストには、データの解析を行ううえで必須となる情報学的・統計学的知識に通じていること、また、専用のデータ解析ツールの扱い方についても深く理解していることが求められる。しかし、データの解析結果がどのような「意味」を持っているのかを考察し、データの「価値」を引き出すためには、文化や社会に関する幅広い知識も持ち合わせていなければならない。つまり、データサイエンティストには理系的な専門知識だけではなく人文学的知識や社会科学的知識についての素養も要求される。

 

P146~147 「高速企業と低速企業」

「失敗の本質」は日本型組織について考えるのにぴったりの一冊。悲劇的な結末を招いた実際の戦争における戦略と戦術を冷静に分析すると、日本軍の評価ポイントは「同期・プロセス」アメリカ軍は「結果」。「日本人は永久に空気に左右される」合理的判断にかけている本質は現代でも日本社会の中枢で行き続けている。「大企業」と「中小企業」という呼び方をやめよう。『高速企業』と『低速企業』の2種類に分類した方がいい。企業の規模で価値判断する時代は終わった、規模感でなくガバナンスの問題といいたい。たとえ小規模な会社でも意思決定が高速な企業は生き残れるでしょう。単純に物差しが変わるだけ。

⇒デービッド・アトキンソン:日本企業の勝算

日本に人口減少時代が訪れることを考えると優れた中小企業政策が本来果たす役割とは、中小企業の規模の小ささをどう補完するかではなく、企業が最適な規模まで成長するための支援だと強く言いたい。日本の生産性が低い最大の原因は生産性を上げようにも上げられない規模の企業を数多く作ってしまったことにある。応援するべき企業の特徴として①イノベーションを起こす企業②最先端技術の普及に寄与する企業③ベンチャーに限らず成長している企業。産業構造のダイナミズムがキーワード。アメリカとドイツには共通した特徴がある。大企業と中堅企業が中心となり、新しく生まれた企業も比較的早い時期に中堅企業や大企業に成長する一方で、成長できない企業には地上から退場してもらう仕組みになっている。

一見、アトキンソンと落合陽一の意見が相反するものが存在しているようにも思えるが、要は企業が躍動感をもってどう「生きる」かということを言っているように思う。

 

 落合さんの著書の中でもなかなか手を出しずらいテーマの本ですが 子育てに通じる未来志向のお話や、日本の現状とその打開策に通ずるお話がたくさんありました。ご興味のあるかたは、教室入り口の本棚にありますので お子様をお待ちの間でもご拝読ください。

 

この本は、こちらからどうぞ

 

                                                           ロボット科学教育crefusひたちなか校  朝日

                                         

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