ロボット製作を通じて科学を学ぶ教室-クレファスひたちなか校

2024年2月21日

最新の教育コラム

C-Wave : 脳を活かすスマホ術   星 友啓 

C-wave                                       

脳を活かすスマホ術 スタンフォード哲学博士が教える知的活用法    星 友啓  朝日新書         

スタンフォードオンラインハイスクールの校長は日本人。そしてこの学校、何とスタンフォード大学への進学率全米1位なんです。そんな星さんの教育方法第2弾、スマホについて。いつ頃スマホを与えたらいいか、どうルール付けをしたらいいか気になりますよね。この内容が皆さんの指針になればと思います。

1・エコーチェンバー:自分では偏りの無い情報を手に入れようとしているつもりでも、スマホのニュースアプリや検索エンジン、ネット広告のアルゴリズムは自分が良く見るジャンルの情報ほど目立たせるようにできている。自分と似た思考の人が集まっている場に身を置くことで同じ意見が部屋の中でエコーのように鳴り響き続けそのことでその意見が確からしく確信してしまう現象。これがおこりやすいのがスマホ。

しかし使い方次第では学習効率を上げたり認知能力の向上につながる。テレビは受動的な使い方しかできないがスマホやタブレットはタッチしたりメールやチャットをしたりと能動的なアクテイブな情報のやり方が可能になる。

2・スマホで出来る脳を生かす習慣

  1・インプット:スマホだからこそできる超速、超効果的なインプット

  2・エンゲージメント:集中力やマインドセット・勉強にも役立つ

  3・ウェルビーイング:SNSで回りと繋がりハッピーになる

  4・モチベーション:スマホをやりすぎず持続可能なモチベーションを

スマホの良し悪しは使い方次第。どちらの研究結果も出ている。

よい方に目を向ければ、記憶力アップの実験がある。大画面に1分間に赤い数字と黒い数字が次々とランダムに映し出される。赤い数字を覚えていれば1つにつき1000円、黒い数字なら100円もらえる。①脳だけで覚える②スマホのノートアプリにメモしていく。その後テストをするがテスト中は何も見てはいけない。この結果、頭だけグループに比べスマホでメモグループのほうが断然に正解率が高くなった。赤い数字正解率は17UP.黒い数字も28UP.スマホに打ち込むという能動的インプットプロセスを経たことで脳のエンゲージが高まったため記憶力が上がった。また、メモを取ることの安心感や自信が落ち着きにつながった。

3・聴くインプットを効率的にする方法①速聴は1.5倍速まで。苦手分野は1.2倍~通常倍速まで。②ビジュアルも含める。例えばYouTubeの動画は聞くに加えて見る・さらに読む機能も付いている。マルチメディアによるインプットが効果的である。脳科学的裏付けは、脳の主要機能であるワーキングメモリー。小さなワーキングメモリーの容量をうまくこなすために外から入ってくる情報を見る・聞くなど違う種類のインプットに分散させることが大事。

4・スマホ学習をより効果的にする3つの動画習慣。

 1・目次やまとめを出力してざっと内容を理解しておく

    これから学ぶことが何かを学ぶというメタ認知は、頭の良し悪しの2倍も学習効果を左右する。つまり学習効果はメタ認知で決まる。

 2・動画学習をする際に10分ごとにメモする

    殴り書きでもいい。リトリーバル(学んだことをたどり、思い返すことで記憶を取り戻すという意味)が大事。

 3・速度は1.5倍 

5・科学的に確認されてきたゲームの良い影響

 ①アクションゲームが認知能力に良い影響を与えうるエビデンスはたくさんある。(視覚の情報処理能力も上がるし視野も広くなるし聴覚に反応も良くなる)

 ゲームで21世紀スキルを身に付けられる。

  *マインクラフト:クリエイテイビテイが高まる

  *ドラクエ・信長の野望:問題解決力がUP

  *ダンスダンスレボリューション:エクササイズ効果

  *フォートナイト

  *アングリーバード:物理法則のイメージをとらえやすい・物理の授業で使うことも・学習効果が高い

 〇クリエイテイビテイだけでなくクリテイカルシンキングや問題解決力を鍛える。

 〇コミュニケーション・コラボレーション力も付く、異文化コミュニケーションの能力を身に付ける。

 〇ゲームするなら21世紀スキルをつけられるマルチプレイヤーのオンラインロールプレイングがいい。

 〇オンライン教育や教育テクノロジーの進化で学びのゲーム化「ゲーミフィケーション」が新しいレベルで発展している。学びとゲームの垣根が崩れつつある。

子どもにはYouTubeよりもスマホゲームがお勧め。ゲームのエンゲージ力にかなわない。ゲームは日常のコミュニケーションで養うべきスキルを養ってくれる

ただし長くやりすぎてはいけない。

②ゲームの利点のもう一つは、今できないこともやればできると思える成長マインドセットをアップさせること。(スタンフォード大学教育学教授キャロル・ヂュエック:マインドセット「やればできる!」の研究著)

成長マインドセットを持っている人は新しいことに挑戦し苦境にも忍耐強い。周りからの批判や自分のミスから学びを効果的に得ることができ、勉強の成績や仕事のパフォーマンス高い。ゲームは成功体験をリスク少なく提供してくれる。

逆は固定マインドセット。ポジテイブ思考を持てないため失敗や間違うことのリスクを回避させがち。 固定マインドの人がゲームをやるとちょっとやっただけで「自分には無理」とやめてしまい その結果余計に固定マインドセットに陥りがち。

成長マインドセットを伸ばせているんだと自覚することだけでも自分が変わってくる。

親としてはゲームよりチェスや将棋をしてくれた方があんしんというひともいるかもしれないが、本当のところはボードゲームをするかスマホでシューテイングゲームをするかでいえば、シューテイングゲームをした方がいいというのが科学が出した答え

著者は小学生のころゲームにどはまりしていた。親は花屋で忙しい。行政の人が来て、店の奥でゲームをしている著者の親に「子供をこんなところに押し込めてこんなことをしていては悪影響が出る」と厳しく指摘したが、のち著者は東京大学入学・アメリカにわたり現在全米トップ進学校のスタンフォードオンラインハイスクール校長をしている。学友もなかなかのゲーマーぞろい。

③あるIT企業トップパフォーマー10%を集めた調査の結果「52分やって17分休憩」が望ましい。

いかがでしょうか。スマホに対するマインドセットが外れた方もいらっしゃるのではないでしょうか。私もスマホやゲームに対して不安が大きかったのですが、こんなこと早く知りたかったと思いました。このほかにも、メンタルに良いSNSの使い方など、皆さんの疑問・不安が払しょくされる一冊です。お手に取っていただけたらと思います。ご興味のある方はこちらからどうぞ

ctaのロボットメイン画像
[cta id="267" vid="0"]
組み立てている画像
トップへ戻る