C-Wave 2023/7/11
「地頭力を鍛える」 細谷 功 東洋経済新報社 2007年12月20日第一刷発行
※なぜ今「地頭力」が必要なのか
「ジアタマデバイド」とは、①コンピュータの情報を単に「コピペ」するインターネットによる白痴化された人々②考える力を身に着けこの膨大な情報を駆使してこれまでとは比べ物にならないような力を発揮する人々との二極化のこと。大宅壮一氏が「一億総白痴化」としてテレビの普及に警笛を鳴らしたのは50年以上も前のこと。そしていま、「インターネットによる総白痴化」の危機を迎えている。
これから本当に重要になってくるのはインターネットやPCでは代替え不可能なエリア、膨大な情報を選別しては付加価値をつけていくという本当の意味での創造的な考える力。この考える力のベースとなる知的能力を「地頭力」という。
※地頭力とは
地頭力とは「考えるチカラ」の基礎となるものであり、3つの思考力(仮説思考力、フレームワーク思考力、抽象化思考力)のベースとなる3つの力(論理的思考力、直観力、知的好奇心)から構成される。
・仮説思考力「結論から」考えることによって最終目的まで最も効果的な方法でたどり着くことが出来る
・フレーム思考力「全体から」考えることでコミュニケーションに置ける誤解や後戻りを最小化できる
・抽象的思考力「単純に」考えることによって意思統一が図りやすくなるとともに応用力を広げることによって少ない知識を応用して新しいアイデアの想像や効率化を飛躍的に図っていく
※なぜ地頭力が重要なのか
- 圧倒的に生産性が上がる(効率よく進められる)
- 「結論から」考えるということは経営者の発想そのもの
- 地頭力とはある意味人間の行動パターンの基本となる「思考回路」であり、これを変えると全ての行動パターンが変わってくる。
※地頭力を鍛えるツールフェルミ推定
「地頭」=「野球の自肩」のようなもの。そしてこの力を鍛えるには「フェルミ推定」が有効である。
フェルミ推定には問題解決の方法論が凝縮されている。
フェルミ推定とは、「東京都内に信号機は何基あるか」「世界中にサッカーボールはいくつあるか」といった把握することが難しい数量について何らかの推定ロジックによって短時間で概数を求める方法である。「ノーベル賞物理学者エリンコ・フェルミ」がシカゴ大学の講義で「シカゴにピアノ調律氏は何人いるか」といった課題を出したことに由来する。
Ef.例題とルール
日本に電柱は何本あるか
3分以内 電卓/PC不可 情報参照不可
結果の正確さよりプロセスが重要
- どんなに少ない情報からでも仮説を構築する姿勢
- 前提条件を設定して先に勧める力
- 時間を決めてとにかく結論を出す
いかがでしょうか?なんとも興味深い内容です。フェルミ推定をビジネスにどう応用するのか、各思考について詳しく明記してありましたので、ご興味のある方はお迎えの時にでもお手に取ってください。フェルミ推定については実際のトレーニングについて有効な本を見つけましたので、そちらを参照として教室で実際にやってみたいなと思っています。こういった問題を解くときに、自分の中に「基準値」となる「数字」がかなり少ないぞと感じました。日常の中でもお子さんと楽しみながら「思考の基準値」を見つける遊びを工夫するのもいいですね。